大好きな「猿の惑星」前史三部作もついにラストです!
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
を観てきました。
公式サイト:https://twitter.com/
映画「猿の惑星」に続く物語となっている、「猿の惑星」の前日譚三部作の三作目にして最終作にあたる本作。監督は前作「猿の惑星:新世紀」に続いて、マット・リーヴス監督が務めます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと
すごい!・・・・・・けど
という、言いたいことがなくもない感じの映画でした。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。
●驚愕の本格猿ドラマ映画!
度肝を抜いたのが、本作が完全にシーザーを中心とした猿物語となっているところ。
今までのシリーズでは、シーザーが主要キャラクターとして活躍はしていたものの、あくまでも人間との間で起こるドラマが中心となっていました。しかし今回は人間側のドラマは本当に最低限となっており、人間側で名前を持った登場キャラクターは“ほぼ”居ません。
3作品を通して人間の映画から徐々に猿の映画としてグラデーションを持っている作品だったのだと気づかされました。
これがこーなっちゃう。劇的ビフォーアフター。
なんといってもシーザー役のアンディ・サーキスさんが見事。
アカデミー賞において、パフォーマンス・キャプチャー(アンディ・サーキスさんの演技を骨組みにシーザーのCGを足してます)に対しても賞を与えようという声が上がrっているそうですが、それも納得の存在感でした。
脇を固める猿メンバーもしっかり見分けがつくような個性や見た目を用意してあるところも気が利いています。
ゴリラのできる男感、オラウータンの知的性、そしてバッドエイプの奇行っぷりも最高。
●ところどころ考えさせられる何か
また物語の随所で考えさせられるテーマにも唸らされます。
集落を襲ってきた人間達を捕虜として捕らえた後にシーザーはどうするのか、猿を捕らえた人間達がどんなことを行なっているのか、猿達が一致団結するきっかけとなるシーザーの行動とはどんなものか、などなど、シーザーが直面する出来事の一つ一つに学びがありました。
最近物騒な発砲事件も多くてほんと怖いですね。私は銃ロマン低い方です。
未だに人間世界から戦争という大規模な争いはなくなっていませんが、果たしていつそれがなくなるのか。もしくは無くなる時は来るのか。真剣に考えてしまうような映画でもありました。今回に限った話ではないのですが、争いが始まるきっかけなど考えさせられる相変わらずよくできているシリーズだとしみじみ思います。
●ここんとこ、気になっちゃうンだ
よくできているところが多々ある一方で、結構気になってしまうところもボチボチありました。
中盤以降の舞台となる猿の収容所のシーン。ここの警備があまりにもザル過ぎ。門番がいないせいで人間ってだけでさらっと出入りできたり、警備員一人を片づけただけで堂々と逃げ出すことができてしまったりとさすがに都合良すぎるんじゃないかと思いました。
またクライマックスにあるキャラクターが、心境を一転させてある行動に移るシーンがあるんですが、そこも突然すぎでした。今まで散々酷いことをしてきているはずなのに、急に同様の惨劇を目の当たりにした瞬間、心を改めてしまうという謎のスイッチに首をかしげざるを得ない感じでした。
よくできているところが多々あるだけに、余計決定的な説得力不足を感じる部分となってしまいました。
相手が猿という新鮮味はもちろんあるんですが、この子とのドラマもややベタすぎにも感じたり。
そんな感じでトータルでは、気になるところもあるものの大方満足な映画でした。
今までに比べてやたら話のスケールがミニマムな感じもしないではないですが、ここは「猿の惑星」につなげるという意味でもしょうがなかったのかな。
なににしても三部作完走お疲れ様でした。
今後の人生で何度も思い出すであろう傑作達をありがとうございました。
これからもおさるさん達のファンでいこうと思います。
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