
すっかり感想を書き終えていたつもりだったのですがまだ書いていなかったや。
実は新年一発目に見た映画はこの中国アニメ映画でした。
小門神
を見てきました。
元旦早々に公開されたこの中国アニメ映画。
二人の門神を主役に、神様の世界と人間の世界がクライマックスにかけて交差していく長編物語です。
本作を見てきた感想をざっくり言うと
結構いい!!
っていうかかなりいい!!
という、かなり推しの作品でございました。
もう少し詳しい感想を書いていきます。
●これは必見!圧巻の世界観!
本作の魅力はなんといっても世界観!
舞台となる神の世界がすごく奇妙でおもしろい!そして綺麗!
冒頭で大空を駆けながら、巨大な亀の上のお城に向かうシーンの壮大さには、「あぁ、これぞ映画!」という感動がありました。
どんな世界で、どんな歴史背景があるのかというのが、練りに練らているのがよく分かる作り込みでした。
中国版の「千と千尋の神隠し」とでも言えるような、魑魅魍魎たち(神様なんだけど)が生み出す世界は“今までに見たことがないなにか”がつまっておりました。
●中国映画もついに世界レベルに来てる!?脱こども騙し!
そして、結構感心したのが物語の作り方。
いわゆる「こども騙し」的な幼稚な演出を、多くの中国のアニメ映画で見てきましたが、本作は違う!
PIXARやドリームワークスなどの一流アニメ制作会社に追いつこうという気概が見られるストーリーや演出もかなり良く出来ていて驚かされました。
気概が見られるだけで「うまい!」とまでは諸手を挙げてまでいる程ではなかったのが惜しいのですが、それでも十分に大人でも楽しめる一作になっていたと思います。
レベルが高いと思わせられるところが何度もありました。いいわー。すごくいいわー。
「なんでこうなの?」ってツッコミどころはちょいちょいあるんですけど、そこもひっかかりすぎない程度に、うまい演出がちょいちょい出てくるという按配。
まさに昨年の傑作中国アニメ映画「西遊記之大聖帰来」を思わせる高水準のバランスでした。
こうして短いスパンで上質なアニメ映画が見られることで、中国アニメ映画もかなりレベルが高くなってきているのかな?と、今までにない傾向から感じさせられました。
●キャラクターデザインはやや難有り?
ちゃんと具体的に言いたい難点がありまして、それはキャラクターデザイン。
主役と成る鬱壘と神荼のデザインはやや、モブくささが抜けてないのがひっかかりました。
他の神様などがなかなか奇抜で良デザインのものが居るだけに、正直そちらに見た目で食われていましたね。
そして最後に出てくる“アレ”のデザインに関しても、正直安直すぎる見た目にガッカリしました。
あれだけ序盤ですごい世界観を見せてくれたのに、最後に出てきた“アレ”のよくある展開とよくある見た目にはもう少しひねって欲しかったなぁと思います。
最後だし物語をどう熱く見せるか、っていうのは確かに重要なのですが、演出も見た目も既視感のあるもので固められてしまっていたので、少し物足りなさは否めませんでした。
唯一、中国、日本問わずピックアップされている花仙のデザインはとても良かったと私も思います。
彼女の容姿も、彼女を用いた演出も見物でした。
このキャラクターのスピンオフ作ってくれても全然いけるような気がします。
中国のアニメ映画も、私が来国した3年前と比べると圧倒的に出来の良いものが出てきています。
アニメ大国とされる日本ではありますが、いつか中国に抜かれる日が来てもおかしくないかもしれないですね。
中国アニメ名作集 【中國動画経典(北京語)】DVD-BOX (台湾輸入版DVD8枚組) リージョンコード:ALL
中国嫁日記 (五)
マクダルのカンフーようちえん [DVD]
ドラゴン・パンダ [DVD]
チベット犬物語 ~金色のドージェ~ [DVD]
千と千尋の神隠し [Blu-ray]
◆関連記事◆
中国映画「寻龙诀」の感想。アジアが舞台の遺跡探検物も作れるという事実!!
【西遊記之大聖帰来】の感想。中国アニメ映画界の記録を塗り替えた大傑作!
【喜羊羊与灰太狼之羊年喜羊羊】ついにシリーズ終焉!?2016年の上映予定に喜羊羊がいない